紅茶とケーキ

皆さんは普段、どんな時に紅茶を飲みますか?今や自宅やお店でゆっくり腰を据えてティーポットで茶葉から抽出するだけでなく、外出先でペットボトルを購入するなど、紅茶を手軽に飲むことができるようになりました。

 

そんな中でも多くの人は、食事やお菓子のお供に紅茶を楽しんでいるのではないでしょうか。せっかくなら紅茶と相性の良い食べ物を合わせたいものです。そこで、紅茶の特徴を踏まえ、紅茶にはどんな食べ物が合うのか選定しましたので、ぜひチェックしてみてください。

 

午後の紅茶が実証!意外にも紅茶はおにぎりに合う

紅茶の発祥は中国ですが、紅茶が世界に親しまれるようになったきっかけはヨーロッパです。そのため、どうしても紅茶は洋風の食べ物に合うという先入観を持っている人が多いでしょう。洋菓子やパンなどと合わせるのが、一般的でとてもなじみ深いと思います。

 

そんな先入観をなくそうと動き出したのが、キリンビバレッジ株式会社です。2011年に、おにぎりに合う紅茶として「午後の紅茶 おいしい無糖」の販売を開始しました。

午後の紅茶 おいしい無糖

 

当時の広告は、まさに紅茶やおにぎりに対する先入観をくつがえすようなものでした。

・おにぎりに紅茶ってアリ?ナシ?

・おにぎり公式飲料「午後の紅茶 おいしい無糖」

といったキャッチコピーを、一度は目や耳にしたことがある人もいると思います。

 

これまでは、日本人であれば、おにぎりには緑茶を合わせるのが一般的でした。もし紅茶を合わせるのなら、サンドイッチでしょう。

 

しかし、キリンビバレッジは、あえておにぎりと紅茶を合わせる(おにぎりと紅茶が合う)ことを提案しました。その理由は、おにぎりとサンドイッチは、具材を挟むものが米かパンかの違いだけであり、中身の具材はほとんど変わらないからです。

 

コンビニでは、サンドイッチコーナーと同じくらい、おにぎりコーナーもスペースをとって販売しています。どちらも手づかみで気軽に食べられることが、その理由の一つでしょう。もしどちらの食事にも紅茶が合うのだとしたら、売れ行きも期待できます。

コンビのおにぎりコーナー、サンドイッチコーナー

 

「午後の紅茶 おいしい無糖」は、これまで販売されていた無糖紅茶とは違い、世界三大銘茶の1つ「ダージリン」をブレンドしています。販売当初は45%、翌年には70%、2015年からは73%です。渋味を少なくし、飲んだ後のすっきり感と切れ味を大事にして、飲みやすい紅茶になっています。

ダージリンファーストフラッシュの茶葉&水色

 

さらに自然な紅茶な香りを出すために、香料を少なくして紅茶本来の風味を忠実に再現しています。そのため、どんな食べ物とも相性が良く、特に油っぽい食事に合わせることで、口の中をさっぱりとさせる効果をより一層感じるため、食べ物の一番美味しい最初の一口目の味を何度でも味わえる仕組みになっています。

 

おにぎりに合うのはもちろん、コンビニやスーパーで売られている弁当やお惣菜にも相性の良い紅茶になっています。近年のおにぎりの具材は多様化し、ツナマヨネーズやサーモン、牛肉、から揚げ、天ぷら、フライなど、油っぽい具材も増えており、それを念頭に置いて開発されました。

コンビニのおにぎり

 

紅茶は酸化発酵させている分、香りの幅が広く、どんな食事ともマッチします。緑茶に比べてお茶の個性が口の中に残りにくいため、まさにコンビニでおにぎりやサンドイッチを買って、短い時間で済ませたいという人の食事には、紅茶が合うのです。

 

「おにぎりには緑茶が合う」という先入観が日本人にあるのは否めませんが、紅茶とおにぎりの相性の良さは、一度試してみると明白です。実際「午後の紅茶 おいしい無糖」は多くの人に受け入れられ、現在もコンビニやスーパーの陳列棚で見かけない日はありません。

 

紅茶と一番合う食べ物はチーズ!?

紅茶の本場と言えばイギリスですが、イギリス人が飲む紅茶は、ミルクティーが一般的です。

※ミルクティーと言うのは日本だけで、イギリスでは「ティーウィズミルク(tea with milk)」と言います。ただし、ほとんどのイギリス人はミルクティーで飲むため、「tea」でミルクティーが出てきます。従って、ミルク無しにしたい時にだけ「ブラックティー(black tea)」もしくは「ティーウィズアウトミルク(tea without milk)」とオーダーすることになります。

 

そんなイギリス人が紅茶のお供に食べているものは、チーズです。小さな子供からお年寄りまで、日常的に紅茶とチーズを合わせて楽しんでいます。

ミルクティーとチーズ

 

アフタヌーンティーのサンドイッチには必ずチーズが入っていますし、サンドイッチでなくてもパンやビスケットと一緒にチーズをかじり、紅茶を飲みます。もしその場にチーズしかなくても、紅茶を合わせて食べます。チーズと紅茶の相性が良いのは、紅茶の本場イギリスで慣習的に実証されているのです。

 

チーズと合わせる飲み物と言えば、ワインを想像するかもしれません。しかし、ワインでは一定の年齢を超えた人しか楽しむことができません。その点紅茶なら、どんな年齢の人でも楽しむことができます。

チーズとワイン

 

実際、イギリスのチーズ販売店に行けば、陳列された各チーズの前に、相性のいいワインの紹介がされています。そしてそれと同じようにして、相性の良い紅茶も記載されているのです。

 

チーズと合わせる紅茶には条件があります。それは、ミルクティーであること、それも低温殺菌牛乳でなくてはなりません。

低温殺菌牛乳

 

その理由は、チーズを食べると濃厚な香りや脂肪分が口の中に広がり残りますが、ミルクティーの脂肪分で流すことができ、さらに低温殺菌牛乳であれば、あっさりしていて切れが早いため、口の中をさっぱりとさせることができるからです。

 

チーズを食べた後に、赤ワインを飲んで口の中をさっぱりとさせるのと理屈は同じですが、違うのは、赤ワインを飲んだ後には、赤ワイン独特の香りと味が残ってしまうことです。

 

その点紅茶は、ほのかな香りしか残りません。甘いミルクティーの香りに満たされると、今度はしょっぱいチーズの味がまた恋しくなります。こうして、食べては飲みをどんどん繰り返し、止まらなくなります。

 

チーズと紅茶(ミルクティー)は、イギリス人には必要不可欠なのです。

 

油っぽい中華料理には紅茶が合うはず!?

中華料理ほど、油を大量に使う料理は他にないでしょう。炒める、焼く、揚げる時は当たり前に油を使用しますが、蒸したり、煮たりする時にも、香り付けや隠し味に油を使用します。

酢豚を調理中

 

この中華料理と一緒に飲む飲み物して、「中国緑茶」が中国ではポピュラーです。中国緑茶は、中国全土の約80%で飲まれているほどです。

中国緑茶(西湖龍井茶)の水色中国緑茶(西湖龍井茶)の茶葉

 

中国緑茶は、緑茶ですが、日本の緑茶(日本茶)とは違い「釜炒り緑茶(釜炒り製緑茶)」です。緑茶の製造工程に、茶葉を摘んですぐ加熱処理する工程がありますが、日本の緑茶(日本茶)は主に蒸して加熱処理します。一方、中国緑茶は主に釜で炒って加熱処理します。

 

日本の緑茶(日本茶)のように、蒸して加熱処理する緑茶を「蒸し製緑茶」、中国緑茶のように、釜で炒って加熱処理する緑茶を「釜炒り緑茶(釜炒り製緑茶)」と言います。

 

釜炒り緑茶の特徴を挙げると、以下の通りです。

・茶葉の繊維質が固いため、蒸し製緑茶と比べて成分の抽出が弱くなり、さっぱりした味わいで、水色も薄い。

・日本茶特有の青臭さや緑っぽい香りは弱く、香ばしく爽やかな香り(炒ることでまとう焙焼香)がする。

 

中国緑茶は、このような特徴を有しているため、油っぽい中華料理との相性がとても良いです。つまり、油分を洗い流し、飲んだ後さっぱりさせてくれ、日本の緑茶(日本茶)のように香りにクセが無いため、料理の個性を邪魔することもありません。

中華料理

 

中国緑茶は、緑茶ですが(緑茶に属しますが)、このような特徴は紅茶に非常に似ています。つまり理屈上、紅茶と中華料理は合うはずなのです。

 

前述の通り、日本の緑茶は蒸し製緑茶がほとんどで、中国緑茶と同じ釜炒り緑茶はほとんど作られていません。九州の一部地域で作られていますが、生産量が少ないため、手に入りづらく値段もやや高めです。

釜炒り緑茶

 

むろん、現代はネット社会のため、中国緑茶や日本産の釜炒り緑茶が手に入らないことはないですが、近くのスーパーやコンビニなどで簡単に手に入る代物ではありません。

 

そこで、中華料理には、中国緑茶と特徴が似ている紅茶を合わせるのが、お手軽で良いと考えます。

 

さらに付け加えると、紅茶は酸化発酵させているため、酸化発酵させていない中国緑茶よりも、香りが料理と融合しやすいと考える専門家も存在します。

 

八角、しょうが、ニンニク、ゴマなど中華料理の食欲をそそる香辛料の香りに、青臭さの全く無い紅茶の香りの方が合うとする考えです。(香りは好みによる部分が大きいため、あくまで1つの考えです)

 

しかし、中国では食事の時に紅茶を飲む文化はありません。紅茶発祥の地「福建省」、世界三大銘茶の1つキーマンの産地「安徽省」でも、食事の際に紅茶を楽しむ文化はありません。

 

この理由は、中国人が紅茶と中華料理は相性が良くないと考えているからではなく、歴史によるものだと考えられます。

 

中国茶の3000年の歴史に対して、紅茶の歴史は400年程度しかなく、中国の文化に定着していないのです。もともと、中国紅茶はヨーロッパに輸出する目的で作られたもので、中国人が日常生活で飲む中国緑茶とは別の位置付けとして扱われてきました。

 

中華料理と紅茶の相性が気になる方は、まず一度手軽なところで「焼き餃子」でトライしてみるのが良いでしょう。紅茶は薄めに抽出したストレートティーがオススメです。餃子と紅茶が意外に合うことに、きっと驚くと思います。

焼き餃子

 

子供が好きな食べ物にも紅茶は合う!大人がお酒なら、子供には紅茶を!

子供の好きな食べ物のランキングを知っていますか?

好きな食べ物を待つ子供

 

1位カレーライス、2位お寿司、3位から揚げ、・・・と続きます。

【小学生が好きな食べ物ランキング】
1位 : カレーライス
2位 : お寿司
3位 : から揚げ
4位 : ハンバーグ
5位 : フライドポテト
6位 : ラーメン
7位 : 焼肉
8位 : オムライス
9位 : ピザ
10位 : チャーハン
(出典:株式会社ぐるなび / 2018年4月時点で6歳~12歳の子供を持つ親818名を対象にアンケート調査)

カレーライスを食べる子供

 

当たり前ですが、いくら好きな食べ物と言っても、食べ物だけを食べているわけではなく、飲み物を飲みながら食事しています。食事の際に飲んでいる飲み物は、氷水(水)が一番多く、その他は、緑茶、ウーロン茶、ジュース、炭酸飲料、牛乳などが挙げられます。

 

大人の場合、子供と同じく氷水やお茶の他、ビール、日本酒、焼酎、ワインなどのお酒を合わせることもできますが、子供はアルコールを飲めないため、選択肢が限られます。

 

1位~10位の食べ物を見ると、一緒に飲んでいる飲み物は、ジュースや炭酸飲料などのカロリーのある飲み物を除くと、氷水である子供がほとんどでしょう。

氷水

 

お寿司の場合、熱い緑茶と思う人もいるかもしれませんが、大人であれば熱い緑茶が多いですが、回転寿司などを見てみると明らかですが、セルフの氷水があり、子供の多くは氷水を飲んでいます。

 

子供の好きな食べ物で注目すべきは、脂肪分や油分が多く含まれ、全て油っぽい食べ物という点です。2位のお寿司は、あっさりしていると思うかもしれませんが、子供の好きな寿司ネタ(サーモン、まぐろなど)には、脂身の魚が多く、魚の脂肪が多く含まれています。

子供の好きな寿司ネタ

 

このような油っぽい食事のお供に、氷水はあまり適していません。口の中の脂肪分、油分を氷水が固めてしまい、口の中にいつまでも油っぽさが残ってしまい、食欲が減退してしまうからです。

 

前述の通り、油っぽい食事には中国緑茶(釜炒り緑茶)が適していますが、日本では手軽に手に入らないため、中国緑茶(釜炒り緑茶)と同じような効果をもたらす紅茶をお供にするのが良いと考えられます。

 

紅茶も中国緑茶同様、口の中の油分を洗い流し、飲んだ後もさっぱりして口に残らないため、氷水を飲むよりは大分マシになるはずです。

 

紅茶は、中華料理に合わせる時と同様、薄めに抽出するのがポイントです。濃いめに抽出すると、料理の個性を邪魔することになります。

 

一般的なティーバッグ紅茶(セイロン紅茶など)を使って、普通に飲む時の約2倍の薄さ(ティーバッグ1つで300~400mL抽出)ぐらいで良いでしょう。ティーバッグなら、料理を作りながらでも簡単に紅茶を用意できます。

ティーバッグで薄めに入れた紅茶

 

子供が料理と一緒にゴクゴク飲むのが目的のため、お湯の温度は50℃前後のぬるめで抽出するのが良いでしょう。

 

実際試してみれば効果はすぐに分かると思います。口の中がスッキリして、食べ物自体の甘さやコクをよりいっそう感じられることに気付くと思います。

 

料理のお供にする飲み物を変えると、料理自体の味に変化をもたらすのは言うまでもありません。大人がお酒をお供にするなら、子供には紅茶をお供としてみるのはいかがでしょうか。

 

子供にとってジュースや炭酸飲料が、大人のお酒の位置付けと思われがちですが、ジュースや炭酸飲料は、料理の個性を完全に邪魔します。さらに、健康にもあまり良いとは言えません。

 

料理自体の美味しさを、子供にも存分に味わってもらうためにも、食事のお供に一度紅茶を試してみてください。

料理と紅茶

 

和菓子に紅茶は合うのか?

和菓子と言えば、濃い緑茶と一緒にいただくのが、もはや日本の伝統になっていると言っても過言ではないでしょう。

和菓子と緑茶

 

では、和菓子と紅茶は合うのでしょうか?

 

結論から言うと、和菓子と紅茶の相性は抜群です。容易に想像できるかと思いますが、ケーキなどの洋菓子と紅茶が合うのですから、和菓子に合うのも当然です。

 

和菓子に、緑茶、紅茶のどちらが良いかと言うことではなく、たまには紅茶を合わせることで、和菓子の味わいに変化をもたらすなど、楽しみ方のバリエーションが増えるといったメリットが出てきます。

和菓子と紅茶

 

そもそも、歴史的に日本におけるお茶は、緑茶のみであり、紅茶はもとより他のお茶もほとんど存在していないに等しいため、どのお茶がどの食べ物に合うのかという議論自体が起こらなかったと考えられます。

 

明治時代に、茶の栽培家・多田元吉により、国産紅茶の栽培が開始されましたが、基本輸出用で、国内で紅茶が普及することはありませんでした。結果、日本人は紅茶を長く知らないまま現代を迎えたのです。

 

紅茶は洋菓子と合うイメージが一般的かと思いますが、紅茶は西洋発祥ではなく中国発祥で、主にアジアで栽培されて、ヨーロッパに輸出され、ヨーロッパで普及しました。従って、そもそも西洋の飲み物ではないため、西洋の食べ物との相性がベストというわけではないのです。

 

もし、ヨーロッパと同じように、日本でも数百年前に紅茶が普及していたら、羊羹やまんじゅうと一緒に紅茶が飲まれていたかもしれません。

 

自然と広まったケーキと紅茶の組み合わせ!ケーキに合うのはやっぱり紅茶

誕生日やクリスマスなど、人々は特別な日にケーキを食べる習慣があります。そしてその時のケーキの横には、必ずと言っていいほど紅茶が用意されています。普段はコーヒーを飲んでいる人も、ケーキを食べる時はすすんで紅茶を選ぶこともあるでしょう。

ケーキと紅茶

 

ケーキには紅茶が合うという認識が浸透していますが、ケーキと紅茶の組み合わせがいつから広まって、人々の意識の中に定着したのかは分かっていません。しかし一説によれば、アフタヌーンティーのティーフードの中に、プチケーキやプチタルトがありますが、その光景が目に焼き付いて定番化したとも考えられています。

アフタヌーンティー

 

しかし、やはり美味しいという実感がなければ、定番化はしません。子供からお年寄りまで、誰もが食べてもケーキと紅茶は美味しかったからこそ、この組み合わせは定番化したのでしょう。

 

紅茶に含まれるカテキンは、ケーキのクリームなどに含まれている乳脂肪分を分解して口の中から洗い流してくれます。このおかげで口の中はすっきりとします。

 

ケーキは乳脂肪分が多く、それが口の中にまとわりついて脂っぽくなるため、一口目の美味しいという感動はどんどん低下してしまいます。この状態を紅茶がリセットしてくれるので、最も美味しい一口目の感動を継続して味わうことができるのです。そして、もう一口食べたいという願望が人々の中に生まれるのです。

ケーキの最も美味しい一口目

 

ケーキを食べる時に合わせる紅茶で、注意点があります。それは、個性のある紅茶や渋味の強い紅茶を選択しないことです。

 

そのような紅茶と一緒にケーキを食べると、紅茶の風味の方が勝ってしまい、ケーキを楽しめなくなってしまいます。特に、フレーバーティーはNGです。香りが口の中に残ってしまうので、すっきりさせるという本来の目的(ケーキと一緒に紅茶を飲む目的)からズレてしまいます。

 

従って、「アールグレイ」をケーキと一緒に飲むのはNGです。アールグレイは、フレイバーティーだからです。

アールグレイのティーバッグとリーフティー

 

有名な紅茶と言えば、おそらくアールグレイ、ダージリンあたりを答える人が多く、アールグレイは一般的に広く知られている紅茶と思います。

 

ダージリンなどの香り付けしていない茶葉(リーフティーやティーバッグ)と並べて、アールグレイを売っている店も多く、紛らわしいですが、アールグレイはベルガモットという柑橘類で香り付けしたフレーバーティーなので、ケーキのお供には適していません。

ベルガモット

 

あくまでケーキが主役ですので、ケーキの風味を損なわない一般的な紅茶を選び、イギリス流の低温殺菌牛乳を使ったミルクティーがおすすめです。

ミルクティー

 

言うまでもなくショートブレッドには紅茶が合う、従って、ちんすこうにも紅茶が合う

イギリスのスコットランドを代表するお菓子として、スコーンと並んで有名なのが「ショートブレッド」です。卵や牛乳を使わず、小麦粉とバター、砂糖、そして少量の塩を混ぜ合わせて、練り固めて焼いたお菓子です。紅茶との相性がとても良く、イギリスの家庭では親しまれています。

ショートブレッド

 

このショートブレッドにとても良く似ているのが、沖縄のお菓子「ちんすこう」です。味、香り、食感などほとんど同じです。それもそのはず、違うところは、バターではなく、ラードを用いるところだけです。

ちんすこう

 

ここまで似ていると、ちんすこうに紅茶が合うのは説明不要でしょう。

 

ちんすこうは、元々中国から伝わってきたお菓子で、その当時中国では、乳脂よりも豚脂の方が主流でした。料理やお菓子にも、当然豚脂が使われていたため、ちんすこうにもラードが使用されています。

 

イギリスでショートブレッドと合わせる紅茶は、もちろんミルクティーです。

ミルクティー

 

ショートブレッドを食べる時、ほのかにしょっぱいバターの味と、小麦粉のポロポロ・さくさくした食感が楽しいのですが、口の中は瞬く間に脱水状態になります。そこにミルクティーを流し込むことで、口の中に広がった小麦粉をまとめて喉まで流し込み、存分にその美味しさを味わうことができるのです。

 

従って、ちんすこうでも、同じような楽しみ方ができます。沖縄のちんすこうには、まだこれと定番化した飲み物が、おそらく無いと思います。そこで、イギリスの伝統的フォーマットを流用して、ちんすこうには紅茶を合わせるのが良いと考えます。

 

実際試してみれば、ショートブレッド同様、ちんすこうで脱水状態になった口の中を、ちょうど良い具合にリセットしてくれ、相性の良さを実感できます。